お料理好きにおススメな小説、「ラストレシピ」♪
清の皇帝が宮廷料理人に作らせた、100種類以上にわたる品数をもつ世界一スケールの大きいコース料理、「満漢全席」!!
当時は3日間くらいかけて食べていたらしい!!
ツバメの巣やフカヒレなど高級食材やラクダのこぶやクマの掌などの珍味も使われ、材料を揃えるのだけでも大変そう・・・。
このようなお料理があるのだと、恥ずかしながら、この小説を読んで初めて知りました^^;
田中経一「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」
その直太朗自身と、直太朗が作ったレシピをめぐる、時代と国境を超えた壮大なスケールのお話・・・!!
うん、ほんと、予想していた以上にスケールが半端なく壮大でした!!
全く前知識を持たずに読み始めたのですが、ストーリーがこんなに広がるのかと驚きつつ、ずーっと始終引き込まれるように読み、気がついたら読み終わっていましたw
ここまで広がっていると、ラストはどう締めくくられるのかと気になって読んでいましたが、ラストもうまくまとまっていて、しっくり納得できる終わり方👌🏻
このスケール感、映画にしたら面白いと思ったら、嵐の二宮くん主演で映画化されていたのですね!
「レシピ」ってただ単にお料理の作り方を記載しただけのものかと思っていたのですが、この小説を読んで、「レシピ」にはそのお料理を開発した人の思いが込められているんだったと思い知らされました。
小説では日本の四季を元にし、「春」「夏」「秋」「冬」の4部構成でコースメニューが作られているのですが、以下は本文中に出てくる「秋」のレシピの中の「栗と牛蒡の二色茶碗蒸し」についての直太朗による驚くべき解説✨
栗も牛蒡も秋を代表する食材である。栗は日本では縄文時代から食べられ、古くから栽培もされてきた食材。牛蒡は中国から薬草として渡来し、平安時代の宮中で薬として利用されてきた食材。いずれも日本人にも馴染みの深いものである。
栗は木の上で、牛蒡は地中で秋の時期成熟を迎える。その二つを茶碗蒸しの中で二層にすることで、地下と地上の秋を一度に味わってもらうことができる。
これを前半の料理としたのは、秋の到来を客人に十二分に感じ取ってもらうことにある。さらに栗には、胃腸を温めて内臓の働きをよくする成分が含まれている。牛蒡もまた食物繊維の働きで整腸作用がある。いずれもこれからの長い料理に備える前菜には適した食材といえる。
前菜には汁物を好む客も多い。しかし、その汁物は他の季節に任せることにして、この「秋の章」では茶碗蒸しという形で胃と身体を温めてもらう。
最初は上の層の栗を味わい、続く下の層の出現で驚かせ牛蒡の味を楽しむ。最後は、その両方を混ぜて味わう三度の楽しみが込められた料理である。
その食材を最大限に活かしながら、その特性を考え抜き、調理する。そして一品一品の順番までもが論理的に考え尽くされているの!!!
お料理って、ロジカルであればあるほど、そのお料理に深みが出て食べる者を楽しませてくれますね✨奥が深いわ😍
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